建築の手帖

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chapter2 「自然との共生」

木をふんだんに使った幼稚園があるとの噂を聞いて、実際に行ってきました。
3年前に建設されたその幼稚園は、外壁・内壁・建具・靴箱・階段など至るところに無垢材が使われていて、木材業界に携わる者から見ても圧倒されます。さらにすごいのは使っている材料だけでなく、八角形の遊戯室(吹き抜けになっていて、2階から見ると子ども達のためのコンサートホールのよう)や外の運動場は一面芝生張りになっていて、素足で園庭を駆け巡ることができたり、丸太の遊具で子ども達は体中を使って遊ぶことができます。園長先生もおっしゃっていましたが、子供たちの創造力を鍛える環境であることは間違いありません。
また自然のエネルギーを取り入れる(パッシブデザイン)設計のため風通し・日当たりは良好で、木の持つあたたかさと移り変わる季節を同時に感じることができ、まさにこれは昔の日本人にとっては当たり前であった「自然との共生」なのでしょう。

実はこの幼稚園では、新しい園舎になってから風邪などで休む園児の数が激減したとのことです。もちろん理由は環境だけではなく、園長先生をはじめ職員の方々の日々の愛情に育まれ、子供たちはのびのびと、そして健やかに、まさに木のようにすくすくと成長していくのです。
また、建物の隅々にまで行き渡る気配りは、建設に関わった全ての人たちの「子供たちのために」という思いの結晶でもあります。
たくさんの人々の強い思いがたくさん詰まった、自然に囲まれた生活は、木を見る・木に触れる・木の匂いを感じることはもちろん、「あたたかさ」「心地よさ」「安心感」を建物全体を包み込んでいるかのようです。

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現在は木を使うことが地球にやさしいと言われる時代ですが、木に囲まれた生活が当たり前だった時代はつい最近まで存在したのです。環境にやさしいから、持続可能な天然資源だから、CO2排出量が少ないから「木を使う」ことはもちろんのこと、そこで生活する人にとって一番いい環境は?と考えたときにたどりつくのが「木を使う」ことなのだと思いました。最後に園長先生の一言「園児たちが大人になって幼稚園のことを思い出してもらえればそれで幸せ」、木は人々を幸せにする力があるような気がしてなりません。

  

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