という掛け声で繰り広げられる奇祭とも言われる、『花祭り』
厳しい寒さを肌に感じる頃になると、記憶が甦る瞬間がある。愛知県北設楽郡豊根村大字三沢字間黒がその地である。
私自身の記憶では、9、10歳~12歳まで舞った事がある。(※花祭りは「踊る」ではなく、「舞う」と言うのだと教わった)
もう48、9年にもなろうか、私が小学校の3年か4年生の頃、父親が「花祭り、舞わんか。いーぞう!俺も舞ったぞ!」と言われ、背中を押され決心。一抹の不安もあったが、何故か嬉しさが勝っていたのが今でも印象に残っている。
年に一度行われる部落の一大イベントの晴れ舞台なのである。確か小学校6年生まで舞ったはずだが、父親に「舞わんか」と言われた時の記憶しか甦らないのが不思議である。
冬休み最後の日であったと思う、夕方の公民館に部落の人が集う。
子供、青年、青鬼や緑鬼等々が踊り舞い、最後を飾るのが榊鬼赤鬼である。クライマックスを迎える時の興奮、誰が榊鬼を舞っているのだろうと周りの人々が囁く。
外には出店があり、おもちゃがずらりと並び綿菓子も売られとても楽しい一夜は続く。
公民館の周りは雪、10~15センチ位はあったと思う。そして記憶でも氷点下15度位になる地域。
その日も少なくとも氷点下8~10度であったであろうと思われる相当に厳しい寒さ。
その雪を溶かすほどの公民館を熱気と興奮が一夜を徹して続く。『テーホヘ、テーホヘッ!』と。
今は残念ながら間黒の地で、この掛け声を聴くことは無い。
(『御神楽祭り – 豊根村』より画像引用
http://www.vill.toyone.aichi.jp/maturi/maturi.html )