先日、この程の暑さに喉が渇き、あるお店で、150円に満たないペットボトルのお茶を買った。店員さんの満面の笑みと、心からの『ありがとうございました。』が心に響き、僕は、照れ隠しで顔をそらした。ただお茶を1本買っただけなのに、こんな事は初めてだった。
場所は、宮城県気仙沼市。松島から石巻、南三陸、気仙沼を抜けて、陸前高田市に向かう途中。瓦礫の山と車の山、基礎だけが残る景色。そしてそこは、国道沿いの大きな船の向いにあるお店。
震災は終わってない。
そう、肌で感じた。
『この地に来てくれて、ありがとう。』 と、あの店員さんは、言っているかのようだった。そこには、お金や物で解決できない現状があり、お金や物で満たされないものがあった。気仙沼にあって、ここで忘れかけているものに、触れた気がした。
1本のお茶に、ありがとう。