建て方

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木造住宅で建て方とは、主要な構造材を組み上げる工程を指します。多くの大工さんがクレーンを使って一気に上棟まで進みます。大きな事故につながる危険を伴う工程なだけに、現場は緊張した雰囲気です。お施主様にとっては、家が実際に出来上がってくるのを目の当たりできる、ワクワクするような工程でもあります。今回は構造材全てが地元産の三州桧を使っています。また、ほとんどの柱と梁が現しを兼ねているので、いつもに増して慎重に組み上げられました。
三州桧を使うのにはいくつか理由があります。まず、地元の気候風土に合った材料であること。木が育つ人工林が空気を浄化し、雨水を保水するなどして地域の自然環境を守ってくれていること。そしてその環境を健全に保つには、人が木を切り出し、手入れし続けることが大切なこと。また、無垢材を使うのは、接着材などの使用を控え住む人の身体への負担を軽減したいと考えているからです。

土台組み

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土台は地面に近いため湿気が貯まりやすい場所になります。桧は水に強く腐りにくい性質なので土台に使用しています。桧(作り)と聞くとなんだか高級な感じもしますが、他に土台に向いているといわれる栗・青森ヒバなどに比べると、桧の方が安いくらいです。
土台建ての技術は飛鳥時代には日本に入って来ていましたが庶民の住宅に普及し始めたのは18世紀の後半と言われています。それまで掘立柱建築が主流だったのは礎石建築や土台建建築よりも剛性が高かく強いと考えられるからです。地震災害が多い日本では、昔から住宅の強度や構造に関心が高く、耐振、免振、制振など今でも様々な考え方があります。
当社では、基礎と土台の間にゴム製のパッキングを挿み込み、日常的に発生する振動を吸収し家への負荷を減らしています。

難燃処理・防蟻処理

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木材には良い点がいろいろありますが、燃え易く、腐ったり虫に食べられたりするなどの弱点もあります。こうした弱点を少しでも補えれば、家はより長く使い続けられます。そのため仕口加工が終った時点で構造材全てに難燃処理を行います。
使われる薬品はホウ酸を主体とした化合物で自然界に存在する安全な物質からできており、VOC14種類については厚生労働省が定める指針値をクリアしています。ノンハロゲン系の物質なので、熱などによって有毒ガスを発生することもありません。
この薬品は木材を燃え難くするだけではなく、防蟻効果もあります。防蟻処理は地面から1mくらいの高さまでが一般的ですが、屋根裏からも侵入してくる外来の白蟻(アメリカカンザイシロアリ)による被害などを考えると、全ての構造材に防蟻処理をしていた方が安心です。

基礎工事

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基礎は文字通り家のいしづえ(礎)です。基礎には家の全ての荷重が掛かってきます。それを支えて力を大地に伝える役目を果たします。
もともとは古い神社や仏閣に見られるような柱の下にある礎石がそのはじまりです。柱を礎石で支える形から、土台を礎石で支えるようになり、土台全体を支えるように板状の石などを敷き詰めるようになりました。
当社では120mm角の土台に対し、ベタ基礎の立ち上がりの幅は150mmを標準としています。
丈夫な基礎を作るには、コンクリートを打設後の養生が大切です。特に水分を十分に与えること。コンクリートは打設後の水和反応によって時間を掛けて硬化していくので、養生中、特に夏場は蒸発によって水分が不足するのを防ぐ必要があります。

地鎮祭

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「地鎮祭」とは、文字通り地(の神様)を鎮める祭(儀式)のことです。洗米や塩を供えて、施主を筆頭に神主、設計士、現場監督など工事関係者が一同に介して建設工事中の安全を祈願します。
地鎮祭の歴史は古く、日本書記に記録が残されていて、8世紀には既に行われていたようです。正式名は「とこしずめのまつり」。手水の儀にはじまり10くらいの手順で祭事が進められます。よく知られている築山に鍬を入れる儀式は「地鎮の儀」と呼ばれ、その所作は、草を刈り、土地を掘ったり均したりする動作を模しています。

地縄張り

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地縄張りは建設予定地で建物の位置などを確認する工程です。図面に合わせて麻の縄を張り、隣地から建物までの距離や駐車場と道路の位置関係などの概略を把握します。敷地が狭いときは、建物の外に配置する給湯器やエアコンの室外機の位置も確認しておくと良いでしょう。コンピュータソフトを使って設計しているとはいえ、実際の敷地で原寸で見て気づくこともあります。そして、工事が始まってしまえば、工程を後戻りすることはたいへんですから、地縄張りはとても大切な工程の1つなのです。

製材

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木は育った山の気候、地質、陽の当たり方、植林の密度や枝打ちの状態、等々、いろんな要因によって品質が変わります。針葉樹は真直ぐだと思い勝ちですが、真直ぐな木は1本もありません。製材では微妙な丸太の曲がり具合を見て、柱や梁など用途に合わせて大まかに切り分けます。切り分けられた木材は必ず反ったり捻れたりします。乾燥する過程でそうした癖を出した後、再度製材して柱などの建材が出来上がります。しかし、施工後も木の持つ癖はなくなるわけではありません。それを見抜いて木の天地・裏表に合わせて使うことが木造住宅の大切です。ですから、家のどの部分にどのように使うのかを考えながら製材しています。

木の買い付け

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木にも旬の季節があります。「伐り旬」(きりしゅん)と呼ばれ、秋から冬の終わりまでがそれに当たります。春から夏にかけて木は勢い良く水を吸い上げ、木質部は栄養が豊富な常態になっています。春夏は他の生物の活動も活発となり、伐採した場合、虫やカビが付きやすくなり木材の品質が心配されます。そうした虫などの活動が収まる秋になると、木も根から水を吸い上げなくなり、材料として安定してきます。伐り旬は伐採後のカビや虫の影響も少なく、また、材料の強度も優れるとも言われています。そのため、次の春に木の水上げが活発になるまでの期間に多くの木が切り出されます。
この時期に額田の山に赴き、次年度に備えてまとまった量の木材を買い付けます。