「地鎮祭」とは、文字通り地(の神様)を鎮める祭(儀式)のことです。洗米や塩を供えて、施主を筆頭に神主、設計士、現場監督など工事関係者が一同に介して建設工事中の安全を祈願します。
地鎮祭の歴史は古く、日本書記に記録が残されていて、8世紀には既に行われていたようです。正式名は「とこしずめのまつり」。手水の儀にはじまり10くらいの手順で祭事が進められます。よく知られている築山に鍬を入れる儀式は「地鎮の儀」と呼ばれ、その所作は、草を刈り、土地を掘ったり均したりする動作を模しています。
地縄張りは建設予定地で建物の位置などを確認する工程です。図面に合わせて麻の縄を張り、隣地から建物までの距離や駐車場と道路の位置関係などの概略を把握します。敷地が狭いときは、建物の外に配置する給湯器やエアコンの室外機の位置も確認しておくと良いでしょう。コンピュータソフトを使って設計しているとはいえ、実際の敷地で原寸で見て気づくこともあります。そして、工事が始まってしまえば、工程を後戻りすることはたいへんですから、地縄張りはとても大切な工程の1つなのです。
木は育った山の気候、地質、陽の当たり方、植林の密度や枝打ちの状態、等々、いろんな要因によって品質が変わります。針葉樹は真直ぐだと思い勝ちですが、真直ぐな木は1本もありません。製材では微妙な丸太の曲がり具合を見て、柱や梁など用途に合わせて大まかに切り分けます。切り分けられた木材は必ず反ったり捻れたりします。乾燥する過程でそうした癖を出した後、再度製材して柱などの建材が出来上がります。しかし、施工後も木の持つ癖はなくなるわけではありません。それを見抜いて木の天地・裏表に合わせて使うことが木造住宅の大切です。ですから、家のどの部分にどのように使うのかを考えながら製材しています。
木にも旬の季節があります。「伐り旬」(きりしゅん)と呼ばれ、秋から冬の終わりまでがそれに当たります。春から夏にかけて木は勢い良く水を吸い上げ、木質部は栄養が豊富な常態になっています。春夏は他の生物の活動も活発となり、伐採した場合、虫やカビが付きやすくなり木材の品質が心配されます。そうした虫などの活動が収まる秋になると、木も根から水を吸い上げなくなり、材料として安定してきます。伐り旬は伐採後のカビや虫の影響も少なく、また、材料の強度も優れるとも言われています。そのため、次の春に木の水上げが活発になるまでの期間に多くの木が切り出されます。
この時期に額田の山に赴き、次年度に備えてまとまった量の木材を買い付けます。