今回はA邸に使った障子についてご紹介します。こちらは洋室の写真になりますが、あえて障子を使うことで断熱性能を向上させています。また、障子には吉村障子を使っています。吉村障子とは、建築家・吉村順三が框と組子の見付寸法を18ミリで統一し見込を30ミリとした障子で、閉めたとき一枚の障子に見えるようデザインしたものです。モダンな雰囲気をもつ吉村障子は洋室にも自然になじみます。
また、障子の中の一つ一つの枠についても、寸法の黄金比を意識して段組みを決めており、こだわりの特注障子となっています。
トイレの床材が貼り終わりました。A邸の床は無垢のナラ材を使っていますが、水回りにだけはリノリウムを使用しています。一般的に水回りには長尺ビニールシートが使用されますが、陽と風の家では天然素材にこだわり素材を選びました。リノリウムとは亜麻仁油や樹脂、コルクくずなどの自然素材を使った床材です。
こちらは収納スペースの中の様子です。一般的にはベニヤなどが使われますが、接着剤などの化学成分が揮発して洋服にしみこみ、お子様の健康に影響を及ぼすおそれがあります。そこでA邸の収納スペースにはこのように無垢の杉板を使用しています。無垢材なので調湿性があるのはもちろん、杉の香りが心地よい収納空間となっています。
壁紙の施工を行いました。壁紙にはビニールクロスは使わず越前和紙壁紙を使っています。この壁紙にはゼオライトという石灰が入っていて、調湿性能を発揮します。また、和紙の梳き方により撥水性を持たせた汚れにくい和紙壁紙です。
天井の施工が終わりました。天井には自然素材の「葦(よし)」が使われています。この葦には木材と同じく調湿性能があり、部屋の湿度を快適に保ってくれます。本来は和室に使われるヨシですが、あえて洋室に貼ることで和モダンな落ち着いた空間を作っています。